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【感想・レビュー】『BoardLand』出目の使い方がカギを握る戦略ダイスゲーム

【感想・レビュー】『BoardLand』出目の使い方がカギを握る戦略ダイスゲーム

 

2024年1月11日にSteamにて無料配信開始、1月12日に日本語対応したターン制戦略ボードゲーム『BoardLand』。日本語対応したというニュースを見かけたので、私もやってみました。

ざっくりと一言感想:「物足りない部分はあるが、よく練られたシステムで思ってた以上に面白い!」

 

 

マスを強化し、ダイスを入れ替え、出目をうまく使っていく戦略性が面白い

モンスターを取り囲むように「攻撃」「シールド」などのアクションが書かれた12枚の「カード(マス)」が配置され、プレイヤーはそのうちのランダムな1マスからゲームスタートとなる。

手持ちにある5個のダイスを一斉に振り、出目が確定したそれらのダイスを「移動」に使うか「現在いるマスのアクションに使う」かを選択していく。使用するダイスの出目の数値が、そのまま移動数や効果の大きさになる。どの出目のダイスをどの順番でどのように使っていくかを考え、モンスターの撃破を目指していく。

モンスターを倒すと報酬としてゴールドや新しいダイスを獲得可能。新しいダイスは今の手持ちダイスのどれかと交換できる。ダイスによって出目の構成が違うことがあり、1~3しかでないものや4しか出ないものなどもある。それらを取捨選択し、手持ちのダイスをアップデートしていく。

しかし、ただ大きい出目が出るダイスだけを集めればいいわけでもない。このゲームには、出目を小さい順から順番に使用することで連続でアクションを実行できる「コンボ」というシステムがある。例えば、出目5のダイス1つで攻撃すると5ダメージを与えるだけで終わりだが、出目2→出目3→出目4と3つのダイスを順番に連続使用すれば合計9ダメージも与えられる。このとき、出目3を飛ばして出目2→出目4→出目5といった間を飛ばす使い方はできないので注意。

出目は大きいほうがいいのだが、だからといって手持ちのダイスを4や5しか出せないダイスだけで構成するとコンボが繋げられなくなり、逆にデメリットにもなる。このコンボというシステムがあることで、単純に大きい出目のダイスだけを集めればいいという単純さが薄くなっており、バランスが良いと感じた。

 

さらに、アクションを実行する度にそのマスに経験値が蓄積され、一定値まで経験値が溜まったマスはより効果の高い上位マスへ「アップグレード」していく。蓄積される経験値に出目の数値は関係なく、単純に実行した回数で決まる。つまり、コンボをすることで1ターン中に蓄積できるマスの経験値がより多くなる。

アップグレード先は2種類から選択でき、そのマス自体がアクションの実行回数に合わせてどんどん成長していく。さらに、交換できるダイスの中には特定の上位マスで使用すると攻撃力や回復力にボーナスが付与されたり、モンスターにデバフをかけることもできる「特殊なダイス」なども存在する。マスのアップグレードによる盤面構成と手持ちのダイス効果を考えながらシナジーを高めていく戦略性がこのゲームの一番面白いところ。

 

また、特定のステージのモンスターを倒すと獲得できる「祝福」というものもある。祝福には様々な効果があり、どれも強力な効果が揃っている。例えば、”延焼のデバフに2+(周回数)の追加ダメージを与える”、”ターン終了時にシールドが無ければ自動でシールド4を獲得する”など。獲得できた祝福に合わせて戦い方を柔軟に変えていくのが強いと感じた。

 

ちなみに、モンスターの強さは10ターン経過するごとにどんどん強くなっていく。そのため、ボーナス効果目的でぐるぐる周回するだけの時間稼ぎはおすすめできない。時間稼ぎによるボーナス効果の大きさよりも、モンスターのパワーアップが強力すぎて一気に逆転される可能性が高いからだ。そのため、基本的には10ターン以内、長くても20ターン以内での撃破を目指していくことになる。そのあたりも含めて、出目をどのように割り振って戦っていくのかを悩むのが楽しい。

 

他にも、定期的にランダムなマスに「イベント」が登場する。イベントによって、”ピッタリ止まったとき”や”通過するだけで”などの発動条件が違うため、手持ちのダイス構成や出目によっては毎回イベントをこなすのは難しい場合もある。時々、プレイヤーにとってデメリットな効果が出ることもあるが、基本的にはメリットのほうが大きいので、イベントはどんどんやっていくのがおすすめ。

 

……だいたい、こんな感じです。文章で書くと少々複雑に感じるかもしれませんが、1つ1つはとてもシンプルなルール、かつプレイヤーがすることは「ダイスを移動 or アクション実行のどちらに割り振るか」だけなので、やってみると案外すんなりと理解できるはず。種類や効果が多すぎないからこそ理解しやすいし、全体のバランスも良く、よくできているシステムだなと思いました。

 

1プレイ30分~1時間以内というお手軽さ

考える時間にもよりますが、現状だと大体1周するのに30分~1時間以内という短時間でさっくり遊べます。すごく手軽でカジュアル。

ただ、何か永続的な成長要素などはなさそうなので、リプレイ性は低く感じました。

 

ちょっと物足りないところも……

無料なので贅沢は言えませんが、永続的な成長要素ややりこみ要素が無く、ボスを1回倒して終わりという点は少々味気ない気がしました。ゲームメカニクス自体が非常に面白いだけにもったいない。

また、現状では”シングルプレイのみ”なのも少し残念です。複数人でワイワイと協力してボスを倒したり、何らかの形で対戦などもできれば、さらに面白くなりそうな気がします。

願わくば、今後のアップデートや有料課金でもいいので実装してくれないかなと思わずにはいられない。ゲームシステムがよくできていて面白いからこそ、もっと楽しめる要素が欲しい!……と感じてしまいます。

 

さいごに

Steamにて無料で配信されているので、気になった方はぜひ一度遊んでみてください。個人的には、アナログのボードゲーム版で出しても普通に面白そうだなと感じました。特に、ボドゲ好きな方、カードゲーム好きな方におすすめです。

まだまだ粗削りだけど磨けば磨くほど輝きを増すような、芯の部分に何か輝くものを持っているような、……そんな気がした作品です。

 

store.steampowered.com

 

それでは、今回はこのへんで。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました!